この記事では、秋華賞へ繋がるトライアルレース「ローズステークス(2021年)」の予想を特集します。
ご紹介する内容は、ローズステークスの有力馬となるクールキャット、オヌール、タガノパッション、アールドヴィーヴルのラップ適性の評価。そしてラップ適性から考える推奨馬についてです。
馬券予想にぜひご参考ください。
目次
ローズステークス2021 オヌール ラップ適性
まず初めに「オヌール」を取り上げます。
上図はオヌールのデビュー戦、アルメリア賞、前走フローラステークスの3戦のラップ適性をまとめたラップマトリックスです。
このラップマトリックスとは縦軸に勝ち時計をハロン数で割ったラップスピード、横軸に上り3ハロンを起点とするラップ変化指数「RPCI」を取り、該当レースのラップ傾向をまとめたグラフです。
プロットしたグラフにはレース名、馬場状態、レース全体の上り3ハロン、馬場差、着順をまとめています。
ラップマトリックスから考えるオヌールのラップ適性の特徴ですが、「超瞬発力型×ラップスピード12秒00~12秒20」のレースを得意にしています。
末脚鋭いデゼルの全妹にあたり、フランス牝系に父ディープインパクトの血統背景らしい瞬発力勝負が向く馬です
今年のローズステークスで求められるラップ適性は、「バランス型・瞬発力型×ラップスピード11秒90~12秒10」と考えています。この求められるラップ適性は、昨年のローズステークスを含む2019年以降に中京芝2000mで開催された重賞レースを参考にして設定しています。
この求められるラップ適性に対しては、前走の8着と凡走したフローラステークスが合致します。春先までは道中のラップが大きく緩んでの完全な瞬発力勝負「超瞬発力型」でしか結果を残せていないことをふまえると、ラップ適性は高く評価できません。
A、B+、B、B-、Cの5段階で評価するラップ適性の評価は「B」とします。
騎乗した武豊騎手、川田騎手ともに素質の高さを認める同馬。春先まではセンスだけで走っていた印象で一夏を越えての成長力は期待できるでしょう。実際に1週前追切では、栗東坂路で「4F:51秒7 - 1F:12秒3」の自己ベストとなる好時計を強めでマークしています。
「ラップ適性からは強く推したい馬ではないが、一夏を越えての成長分を上積みとして考えたい」。これが、オヌールの見解となります。
ローズステークス2021 タガノパッション ラップ適性
次に「タガノパッション」を取り上げます。
上図はタガノパッションのデビュー戦から前走オークスまでのラップ適性をまとめたラップマトリックスです。
ラップマトリックスから考えるタガノパッションのラップ適性の特徴ですが、「底力型・持続力型×ラップスピード11秒80~12秒30」のレースを得意にしています。
ステイゴールドを送り出したゴールデンサッシュを3代母に持ち、母父がシンボリクリスエス、父が母系の個性を引き出すキングカメハメハの血統背景で、スタミナとスピードの持続力に富み、パワーとタフさも兼備します。中長距離戦の持続力勝負が向く馬でしょう。
ローズステークスで求められるラップ適性に対しては、前走の4着と力を示したオークスが合致します。基本的には底力型や持続力型の馬と考えていますが、バランス型となったオークスの走りから一定の適性は見込めます。
ラップ適性の評価は「B」とします。
デビュー戦が2021年3月20日と非常に遅く、オヌール同様にこの馬も一夏を越えての成長力は期待ができます。実際に鮫島調教師からは1週前追切後に「今回はしっかりと乗り込めている。能力が高い馬だし、春より体も大きくなっている」との前向きなコメントがでています。
タガノパッションの見解としては、「一夏を越えての成長分は魅力だが、追込脚質で速い末脚を使える馬ではないため、良馬場になると追込むも届かずのイメージが強い。馬場が渋っての道悪馬場で浮上の可能性あり」と考えています。
ローズステークス2021 アールドヴィーヴル ラップ適性
3頭目には「アールドヴィーヴル」を取り上げます。
上図はアールドヴィーヴルのデビュー戦から前走オークスまでのラップ適性をまとめたラップマトリックスです。
ラップマトリックスから考えるアールドヴィーヴルのラップ適性の特徴ですが、「持続力型×ラップスピード11秒60~12秒10」のレースを得意にしています。
グレースアドマイヤ牝系で半姉にフローラステークス3着のフアナ、叔父に日本ダービー3着のアドミラブル、叔母にエスポワールがおり、血統背景からはややパンチに欠けるものの総合能力の高さが売りで中距離戦で展開を問わず堅実に走ってくる印象を受けています。
馬場適性も高速馬場から低速馬場まで幅広く適応できます。
ローズステークスで求められるラップ適性に対しては、前走のオークス5着が合致します。先ほどもご紹介したように総合能力の高さが売りの馬と考えており、ラップ適性もある程度オールラウンダーなラップ適性と捉えています。そのため一定のラップ適性が見込めます。
このような背景からラップ適性の評価は「B+」とします。
状態面に目を向けると、1週前追切では栗東坂路で「4F:50秒6 - 1F:12秒8」の自己ベストとなる好時計を末強めでマークしており、状態面の良さが伺えます。
見解としては、「一定のオールラウンダーなラップ適性が見込め馬場適性も問わないことから、ここも好走確率は高い。状態や枠順次第で本命候補の一頭。推奨馬同様に評価は高い」と考えています。
ローズステークス2021 推奨馬
それではこの記事の最後にローズステークスの有力馬の中から考える推奨馬をご紹介します。
推奨馬には、「クールキャット」を取り上げます。
上図はクールキャットのデビュー戦から前走オークスまでのラップ適性をまとめたラップマトリックスです。
ラップマトリックスから考えるクールキャットのラップ適性の特徴ですが、「バランス型・瞬発力型×ラップスピード11秒90~12秒00」のレースを得意にしています。
メジロ牝系に父スクリーンヒーローで半兄にトリオンフがいる血統背景で、先行力とスピードの持続力・粘りを武器にバランス型や瞬発力型のレースを先行して早め先頭から後続を抑え込むという形がベストな展開でしょう。
ローズステークスで求められるラップ適性に対しては勝利した新馬戦とフローラステークス、14着と大敗した前走のオークスが合致します。勝利した新馬戦は芝1400mですから参考外で前走のオークスもラストの脚の止まり方を見ると距離が長すぎた印象です。
今回と同じ左回りコースの芝2000mのフローラステークスの勝ちっぷりは鮮やかで評価ができ、この点からローズステークスに対しても高いラップ適性が見込めると考えます。
ラップ適性の評価は「A」とします。
ルメール騎手鞍上で過剰人気になりそうな点は気になりますが、1週前の追切の時計も悪くありません。唯一気になる点をあげるとすれば、現状においては週末の天気予報が崩れている点です。
見解としては、「非常に高いラップ適性が見込め、良馬場開催であれば好走確率は高い。前々走のような先行して直線抜け出して後続を抑え込む競馬に期待。」と考えています。