港都・神戸の国際性、阪神間モダニズムの文化圏、播磨・但馬・淡路のものづくりという多層の土壌から、兵庫は近現代の多彩な分野で人材を輩出してきました。
そこで本記事では、科学・実業・デザイン/美術・文学/漫画・将棋・スポーツ・哲学の領域から兵庫県の偉人をまとめました。
このページでわかること
- 兵庫県出身の偉人を分野横断で俯瞰できる
- 各人物の主要な功績・受賞・記録を短時間で把握できる
- 出生地や大学・ミュージアム・スタジアムなど、現地でたどる手がかりを押さえられる
- 作品名・受賞名・大会名から一次情報へ進む入口を確保できる
兵庫県出身の偉人/歴史上の人物一覧
兵庫にゆかりのある人物を、科学・実業・デザイン/美術・文学/漫画・将棋・スポーツ・哲学から横断して紹介します。
野依良治(化学者・ノーベル化学賞/神戸市)

不斉水素化触媒の研究で有機合成の精度と効率を一段押し上げ、2001年にノーベル化学賞を受賞した化学者です。医薬や機能性材料の創製に通じる基礎を築き、研究と人材育成の両面で学術界を牽引しました。
神戸市出身で、大学やミュージアムの展示に研究史がまとめられています。
三木谷浩史(実業家・楽天創業者/神戸市)

ECから金融、スポーツまでを横断するインターネット企業グループを立ち上げ、デジタル経済の土台づくりを進めた起業家です。プロ野球やサッカーを通じた地域・国際展開でも知られます。
神戸生まれで、港町の国際感覚を背景に事業を拡大しました。
横尾忠則(美術家・グラフィックデザイナー/西脇市)

ポップと神話的イメージを往還する作風で、ポスターから絵画まで表現領域を更新した美術家です。
国内外の美術館で大規模回顧展が行われ、現代日本の視覚文化に強い影響を与えました。西脇市に横尾忠則現代美術館の拠点があり、作品世界を体系的に辿れます。
横山光輝(漫画家『鉄人28号』『三国志』/神戸市)
科学冒険と歴史ロマンを大衆へ橋渡しし、長編の物語設計で読者層を広げた漫画家です。
『鉄人28号』『バビル二世』『三国志』など、多世代に読み継がれる代表作を多数生みました。神戸市ゆかりで、記念展示や原画企画が随時開催されています。
谷川浩司(将棋棋士・永世名人資格者/神戸市)

鋭い終盤とスピード感あふれる攻防でタイトル戦線を長期にわたり彩ったトップ棋士です。名人をはじめ主要タイトルを獲得し、永世名人資格を得ました。
神戸市出身で、関西将棋界の発展にも尽力しています。
香川真司(サッカー日本代表/神戸市)

俊敏な判断とスペース感覚で欧州主要リーグの攻撃を牽引し、日本代表でも中心を担った攻撃的MFです。ドルトムントでのリーグ優勝や国際試合での活躍が広く記憶されています。
神戸で育ち、ユース年代から積み上げた基盤が飛躍につながりました。
田中将大(プロ野球・MLB/NPB/伊丹市)

精密な制球と多彩な変化球で日本シリーズ制覇、メジャーでも先発ローテーションの柱として長く結果を残した投手です。シーズン無敗優勝など記録面でも語り草を残しました。
貴景勝(大相撲横綱/芦屋市)

強烈な突き押しを武器に幕内上位で存在感を確立し、複数回の優勝を経て横綱へ昇進した力士です。
立合いの圧力と押し切る形で土俵を支配し、相撲界の主役として活躍しています。芦屋市生まれで、兵庫の相撲文化を背負う象徴的な力士です。
和辻哲郎(倫理学者『風土』『日本倫理思想史』/姫路市)
人間を取り巻く気候・地理と文化の関係を独自に読み解き、日本思想の層を見晴らす倫理学を築いた思想家です。
『風土』や『日本倫理思想史』などの著作が、哲学・人文諸分野に長く影響を及ぼしています。姫路市出身で、地域の文学碑や資料が研究の入口になります。
三木清(哲学者・西田幾多郎門下/たつの市)

近代と個人の関係をめぐる思索を深化させ、随想と哲学を往還する文章で知的遺産を残した哲学者です。
『人生論ノート』をはじめとする著作が広く読まれ、近代日本思想の核心に迫りました。たつの市ゆかりで、記念碑や関連展示が思想史の手掛かりになります。
まとめ
| 氏名 | 功績 |
|---|---|
| 野依良治 | 不斉水素化触媒の研究で有機合成を革新し、2001年にノーベル化学賞を受賞した。 |
| 三木谷浩史 | ECを基盤に金融・スポーツへ拡張する企業グループを築き、日本のデジタル経済を牽引した。 |
| 横尾忠則 | ポスターから絵画まで横断する独創的な視覚表現で現代日本のアート/デザインに大きな影響を与えた。 |
| 横山光輝 | 『鉄人28号』『三国志』などの長編で科学冒険と歴史ロマンを大衆に広げ、国民的漫画家として地位を確立した。 |
| 谷川浩司 | 鋭い終盤力で名人を含む主要タイトルを多数獲得し、永世名人資格を得た。 |
| 香川真司 | 欧州トップリーグでリーグ優勝に貢献し、日本代表の攻撃を担った国際的MFとして活躍した。 |
| 田中将大 | 精緻な制球と多彩な変化球でNPBとMLBの両舞台で先発の柱となり、シーズン無敗優勝など記録面でも名を残した。 |
| 貴景勝 | 強烈な突き押しで複数回の幕内優勝を成し、横綱へ昇進した。 |
| 和辻哲郎 | 『風土』『日本倫理思想史』で気候・地理と文化の関係から人間を考察し、日本思想研究の基盤を築いた。 |
| 三木清 | 『人生論ノート』などで近代と個人の関係を掘り下げ、随想と哲学を横断する思索を遺した。 |

