佐賀は、近代国家の要職を担った政治家から、思想・工芸・美術の担い手、現代の実業家やトップアスリートまで幅広い人材を生み出してきた土地です。本記事では、戦国武将に偏らず分野横断で佐賀県の偉人をまとめました。
何が優れているのか、どの作品・業績が代表的か、どこで足跡をたどれるかを短く整理しております。
このページでわかること
- 各人物の代表業績・作品・記録の要点
- 出生地や記念館・史跡・窯元などゆかりの場所
- 学習ノート作成や小旅行の計画に直結する固有名詞
佐賀県出身の偉人/歴史上の人物一覧
佐賀ゆかりの偉人を、政治や思想、実業、美術、工芸、スポーツまで横断して取り上げます。
大隈重信(政治家・第8・17代内閣総理大臣/佐賀市)

立憲政治を進めた宰相であり、早稲田大学の創設者です。
政党内閣の確立や外交・財政の運営で近代日本の基盤づくりに関わり、教育面でも人材育成に長期の影響を与えました。佐賀市の大隈重信記念館や旧宅関連地で生涯をたどれ、東京の早稲田大学大隈講堂と合わせて人物像が立体的に理解できます。
佐野常民(政治家・日本赤十字社創設/佐賀市)

博愛社を母体として日本赤十字社の誕生に尽力した近代国家形成期の実務家です。
戦時救護の制度化、医療・衛生の普及、佐賀藩の技術導入や造船教育にも関わり、国際人道の理念を国内に広めました。佐賀市の佐野常民記念館や三重津海軍所跡の資料を手がかりに、政策と現場の双方から歩みを学べます。
江藤新平(政治家・司法卿/佐賀藩出身)

司法制度の近代化を先導した法治国家の設計者です。
裁判所制度や法典整備の推進で近代司法の骨組みを築き、行政・司法の分担という原理を早期に打ち出しました。佐賀市の関連碑や佐賀城本丸歴史館の展示に加え、江藤家ゆかりの資料から思想的背景と政策の具体像を確認できます。
鍋島直正(佐賀藩主・近代化推進/佐賀市)

反射炉や精錬所、三重津海軍所の整備、蘭学・医学の奨励など、藩レベルの近代化を徹底した指導者です。
産業・教育・軍事の三領域を連動させた施策は、のちの国家的近代化へつながるモデルとなりました。佐賀城本丸歴史館や反射炉・海軍所跡の史跡群が学びの拠点になります。
山本常朝(『葉隠』口述の武士思想家/佐賀藩)
隠棲後に語った心得を田代陣基が筆録した『葉隠』で知られ、主従や日々の修養をめぐる倫理を語り継いだ人物です。
実務的な武士道の記録として後世に読み継がれ、近世から近代への価値観の変化を考える材料になります。佐賀市や多久市の関連碑・資料館で版本や解説に触れ、地域の教育史とあわせて理解できます。
島義勇(北海道開拓の先導者・開拓使判官/佐賀藩出身)

北海道の都市計画や行政整備に携わり、札幌の街路計画や官庁街の構想に関与した実務家です。
測量・開発・移住政策を俯瞰する視点を持ち、近代のフロンティア形成に貢献しました。佐賀市の顕彰碑や資料、札幌の関連史跡を往復してたどると、日本の地域開発史が具体的に見えてきます。
岡田三郎助(洋画家・白馬会/佐賀市)
女性像を中心に気品ある光と色彩を探究した洋画家です。
西洋絵画の技法を吸収しつつ日本的エレガンスを表現し、『あやめの衣』などの作品で高い評価を得ました。佐賀県立美術館や佐賀市ゆかりの展示に作品が収蔵され、制作ノートや同時代の画壇資料と合わせて鑑賞を深められます。
中里無庵(陶芸家・唐津焼復興/唐津市)
失われかけた古唐津の美を再検討し、昭和期に唐津焼を再興した陶芸家です。
轆轤成形と土味・釉調の研究で独自の景色を生み、人間国宝(重要無形文化財保持者)として評価を確立しました。唐津市の中里太郎右衛門陶房や窯元エリアで作品群と資料に触れ、採土から焼成までの工程を現地で理解できます。
孫正義(実業家・ソフトバンク創業者/鳥栖市)

通信・投資の両輪でテクノロジー企業群を束ねる経営者です。移動体通信の事業展開、グローバル投資による成長戦略で産業構造の変化を加速させ、日本発の企業グループの姿を更新してきました。
鳥栖市出身で、企業の年次報告や講演記録を一次資料として読み解くと、意思決定と事業設計の思考が整理できます。
古賀稔彦(柔道・五輪金メダリスト/佐賀県出身)

バルセロナ五輪男子71kg級で金、アトランタ五輪で銀を獲得した名選手です。
切れ味のある一本背負いと攻め続ける運動量で観る者を魅了し、引退後は指導者として後進の育成にも力を注ぎました。県内の柔道場や顕彰展示をめぐると、試合映像と技術解説を組み合わせて学びを深められます。
まとめ
| 氏名 | 主な功績 |
|---|---|
| 大隈重信 | 立憲政治と政党内閣の確立に貢献し、内閣総理大臣を務める。早稲田大学を創設し高等教育の発展に寄与。 |
| 佐野常民 | 博愛社を母体に日本赤十字社の創設を主導。戦時救護の制度化と衛生・医療の普及を推進。 |
| 江藤新平 | 司法卿として裁判所制度と法典整備を進め、近代的な法治国家の枠組みを構築。 |
| 鍋島直正 | 反射炉・精錬所・三重津海軍所を整備し、蘭学・医学を奨励。藩の近代化を総合的に推進。 |
| 山本常朝 | 口述を田代陣基が筆録した『葉隠』で武士の倫理と生活規範を伝える思想的遺産を形成。 |
| 島義勇 | 開拓使判官として北海道の都市計画と行政基盤整備に携わり、札幌の街路や官庁街の構想に関与。 |
| 岡田三郎助 | 女性像を中心に気品ある色彩と光を追究し、日本近代洋画の重要作を多数制作。 |
| 中里無庵 | 古唐津の研究と制作で唐津焼を復興。土味と釉調の探究により昭和陶芸を代表する作風を確立。 |
| 孫正義 | ソフトバンクを創業し通信事業を拡大。テクノロジー分野への大規模投資で企業グループの成長戦略を展開。 |
| 古賀稔彦 | バルセロナ五輪71kg級で金、アトランタ五輪で銀。一本背負いを武器に世界の頂点に到達し、指導者として後進を育成。 |

