高知は、坂本龍馬に代表される幕末維新の舞台であると同時に、海運・実業、植物学、漫画やエンタメ、スポーツまで多彩な人材を生み出してきた地域です。
そこで本記事では、歴史人物に偏らず現代の創作者やアスリートまで分野横断で高知県の偉人をまとめました。
このページでわかること
- 各人物の評価軸・代表作/記録・高知との結びつきの要点
- 市町村名や記念館・資料館・碑など、現地でたどれるゆかりの場所へ接続する手がかり
- 授業・自由研究に転用しやすい人物カード化のヒント
高知県出身の偉人/歴史上の人物一覧
高知ゆかりの偉人を、歴史や政治、実業、科学、文学や漫画、スポーツまで横断して選び、功績と代表作や記録、高知との結びつきをまとめました。
坂本龍馬(幕末志士/高知市)

土佐藩出身の志士として海運会社の亀山社中や海援隊を組織し、薩長の連携を後押しした行動力で知られます。
近代国家の方向性を見据えた船舶と交易の発想、脱藩後の交渉力が評価され、書簡の量と内容も研究価値が高いです。
高知市では桂浜の坂本龍馬像や高知県立坂本龍馬記念館、高知城歴史博物館で資料に触れやすく、龍馬の手紙や海援隊の足跡をたどる街歩きが楽しめます。
中岡慎太郎(幕末志士/安芸郡北川村)

土佐の郷士から頭角を現し、薩長の橋渡しに奔走した調整役として知られます。
京都での活動期に坂本龍馬とともに倒幕運動に関わり、近代政治への移行に向けた合意形成に尽力しました。安芸郡北川村には中岡慎太郎の生家跡に近い中岡慎太郎館があり、書簡や遺品、維新期のネットワークを具体的に学べます。
板垣退助(政治家・自由民権運動/高知市)
明治期の自由民権運動を主導し、国会開設と憲法制定の流れを地域から全国へ押し広げた政治家です。
演説中の襲撃事件で発した言葉が象徴的に語り継がれ、地方からの政治参加の重要性を示しました。高知市では高知城周辺の銅像や関連碑、高知市立自由民権記念館で運動の実物資料と年表を確認できます。
後藤象二郎(政治家・実業家/高知市)

幕末期に藩政改革に関与し、明治維新後は政府要職を経て鉄道や電信など近代インフラの整備、商工業の発展に関わった人物です。
政治と経済の接点で制度づくりと事業推進を行い、近代化の初期に実務面で大きな役割を果たしました。高知市出身で、高知城歴史博物館や市内の維新関連史跡で当時の資料や年譜にアクセスできます。
岩崎弥太郎(三菱創業者/安芸市)

海運業を基盤に事業を拡大し、三菱の礎を築いた実業家です。明治政府の海外航路や国内輸送を担う中で船舶の整備、人材登用、金融との連動を進め、近代日本の産業発展をけん引しました。
安芸市には岩崎弥太郎生家と銅像が残り、土間や庭の佇まいから出発点の生活環境を実感できます。
中浜万次郎〈ジョン万次郎〉(漂流民・通訳・教育者/土佐清水市)

少年時代に漂流して米国で教育を受け、通訳として幕末の日米交渉や航海術の伝達に貢献した人物です。世界標準の航海・捕鯨技術、英語教育を日本へ持ち帰り、のちの国際化に先駆ける視点を示しました。
土佐清水市には土佐清水市立ジョン万次郎資料館があり、航海図や当時の生活用具、往復の足跡を詳しく学べます。
牧野富太郎(植物学者“日本植物分類学の父”/高岡郡佐川町)
膨大な採集と精密な図と記載で日本の植物分類学を切り開いた研究者です。新種の命名・記載や『牧野日本植物図鑑』の編纂により、学術と教育の両面で長期的な影響を与えました。
佐川町には牧野公園や佐川町立青山文庫があり、高知市には高知県立牧野植物園が整備され、標本・写生・分類の過程を体系的に学べます。
やなせたかし(漫画家『アンパンマン』/香美市〈旧・香北町〉)

長年にわたり子どもたちに寄り添うヒーロー像を描き続けた創作者で、『それいけ!アンパンマン』の原作や作詞など多方面で活躍しました。優しさや分かち合いを中心に据えた物語世界が教育や福祉の場でも親しまれています。
香美市香北町には香美市立やなせたかし記念館(アンパンマンミュージアム)があり、原画や制作資料、歌詞の世界を体験的に学べます。
有川ひろ(小説家『図書館戦争』/高知市)

日常と組織、恋愛と職業観を軽快な筆致で描く人気作家で、『図書館戦争』『三匹のおっさん』『空飛ぶ広報室』など映像化作品も多いです。現代社会の制度や仕事の誇りをエンターテインメントとして読ませる構成が特徴で、読書案内としても使いやすい作品群が揃います。
高知市出身で、県立図書館や市内書店の企画展示を入り口に作品世界を地元と重ねて楽しめます。
藤川球児(プロ野球・元メジャー/NPB投手/高知市)

伸びのある直球とフォークを武器に、救援の柱として長く第一線で活躍した投手です。阪神タイガースでの通算セーブ・ホールド、米大リーグでの登板、高知ファイティングドッグスでのプレーと地域への還元が広く知られます。
高知市出身で、高知商業高校のエピソードや地元球場のイベントに足跡が残り、トレーニング法やメンタルづくりを学ぶ題材としても有用です。
まとめ
| 氏名 | 主な功績 |
|---|---|
| 坂本龍馬 | 亀山社中・海援隊を組織し、薩長の連携を後押し。海運と交易による近代国家構想を推進。 |
| 中岡慎太郎 | 薩長の橋渡し役として倒幕運動を調整。京都を拠点に連絡と交渉で維新を前進させる。 |
| 板垣退助 | 自由民権運動を主導し、国会開設と憲法制定の流れを全国へ広げる。 |
| 後藤象二郎 | 維新後に政府要職を歴任し、鉄道・電信など近代インフラと商工業の発展に寄与。 |
| 岩崎弥太郎 | 三菱を創業し海運を基盤に事業を拡大。近代日本の産業発展を牽引。 |
| 中浜万次郎 | 米国で学んだ知識を持ち帰り、通訳として日米交渉や航海術の導入に貢献。 |
| 牧野富太郎 | 膨大な採集と精密な記載で日本の植物分類学を確立。『牧野日本植物図鑑』を編纂。 |
| やなせたかし | 『それいけ!アンパンマン』の原作・作詞で長寿シリーズを築き、やさしさのヒーロー像を確立。 |
| 有川ひろ | 『図書館戦争』『空飛ぶ広報室』などで現代の組織と仕事を描き、映像化作品を多数生む。 |
| 藤川球児 | 伸びのある直球とフォークで救援の柱として活躍。NPBでの実績に加えMLB登板や地域への還元でも知られる。 |

