秋華賞(2021年)の予想を特集します。
ご紹介する内容は、秋華賞のラップ分析とソダシなど上位人気馬の評価、そして上位人気馬の中から選ぶ推奨馬についてです。
馬券予想にぜひご参考ください。
目次
秋華賞2021 ラップ分析
まず初めに秋華賞のラップ分析をご紹介します。
今年の秋華賞は例年とは異なる阪神芝2000mでレースが行われます。そこで阪神芝2000mで行われるG1の「大阪杯」と牝馬限定重賞の「マーメイドステークス」からラップの傾向を探っていきます。
上図は過去3年の大阪杯、マーメイドステークスの個別ラップをまとめたグラフです。なお、2020年のマーメイドステークスは極端なラップ傾向となったため対象からは外しています。
個別ラップを詳細に分析すると、スタート直後は急坂のためラップがそこまで速くならず、隊列が落ち着く1コーナーでラップが低速化。その後は12秒台前半のワンペースなラップを刻み、下り坂を利用しつつ残り4ハロンを起点にラップが徐々に高速化、ラスト1ハロンは急坂の影響で一気にラップが減速する。そのような個別ラップを刻んでいます。
ラップ適性としては残り4ハロンを起点にしたロングスパート戦といえ、上がり3ハロンでそこまで速い末脚を求められるわけではないこととラスト1ハロンの大きな減速をふまえると、瞬発力よりは持続力や底力の能力が求められると考えます。
ラップスピードについては3歳牝馬限定戦とはいえ開幕2週目のG1レースであることをふまえると、良馬場であればラップスピード11秒90〜12秒10と予想します。
このような背景をふまえて考える秋華賞で求められるラップ適性ですが、「ロングスパート戦×ラップスピード11秒90〜12秒10」に設定します。
秋華賞2021 上位人気馬 ラップ分析
ここからは秋華賞の上位人気馬のラップ分析をご紹介します。
上位人気馬として取り上げる馬はソダシ、アンドヴァラナウト、ユーバーレーベン、ファインルージュ、アカイトリノムスメの5頭です。
ソダシ ラップ分析
1頭目には、ソダシを取り上げます。
上図はソダシのデビュー戦から前走札幌記念までのラップ適性をまとめたラップマトリックスです。
このラップマトリックスとは縦軸に「1ハロン平均のラップスピード」、横軸に「ラップの傾向」を取り、該当レースがどのようなラップ適性であったかをまとめたグラフです。
ラップマトリックスからソダシのラップ適性を分析すると、「底力戦〜瞬発力戦×超高速ラップ〜低速ラップ」までと非常に幅広い適性を示していることが分かります。このラップ適性は、どのようなレースになっても安定した力を発揮する「オールラウンダーなラップ適性」といえます。
秋華賞で求められるラップ適性に対しては、前走の札幌記念が合致して高評価。
この札幌記念はラップ適性が合致するだけでなく、個別ラップの傾向もラスト4ハロンを起点にしたロングスパート戦となっており似た傾向を示しています。
このような背景からソダシは秋華賞に対して高いラップ適性が見込めると考えます。A、B+、B、B-、Cの5段階で評価するラップ適性の評価は、最上級評価の「A」とします。
前走ラヴズオンリーユーを破った能力面は勿論のこと、芝1600m〜芝2000mではオールランダーなラップ適性を誇り高く評価できるソダシ。ここも勝ち負けが期待できると予想します。
アンドヴァラナウト ラップ分析
2頭目には、アンドヴァラナウトを取り上げます。
上図はアンドヴァラナウトのデビュー戦から前走ローズステークスまでのラップ適性をまとめたラップマトリックスです。
ラップマトリックスからアンドヴァラナウトのラップ適性を分析すると、「瞬発力戦×高速ラップ〜中速ラップ」までのレースで結果を残していることが分かります。
秋華賞で求められるラップ適性に対しては、ラップ適性が合致するレースはありません。ロングスパート戦では1勝クラス2着の結果があるとはいえ、ここまで瞬発力戦で結果を残してきたアンドヴァラナウト。秋華賞に対するラップ適性は未知数と言わざる負えません。
そのためラップ適性の評価は「B」です。
ソダシなど持続力や底力に寄ったロングスパート戦で結果を残している他馬がいる中で、ラップ適性が未知数のアンドヴァラナウトを狙うのは難しいところ。個人的には買いづらい一頭です。
ユーバーレーベン ラップ分析
3頭目には、ユーバーレーベンを取り上げます。
上図はユーバーレーベンのデビュー戦から前走オークスまでのラップ適性をまとめたラップマトリックスです。
ラップマトリックスからユーバーレーベンのラップ適性を分析すると、「底力戦〜瞬発力戦×中速ラップ〜超低速ラップ」までと幅広いラップ適性を示していることが分かります。ラップスピードがある程度低速化する芝2000m以上のレースであれば、オールラウンダーなラップ適性が見込めます。
秋華賞で求められるラップ適性に対してはラップ適性が合致するレースはありませんが、中距離戦のオールラウンダーなラップ適性を考慮すれば高いラップ適性が見込めます。ラップ適性の評価は「B+」です。
左前肢に不安を発症してぶっつけ本番となるローテーション、小回りコースよりは大回りコースの方が向くと考える点から割引は必要かと思いますが、それでも侮れない1頭と評価しています。
ファインルージュ ラップ分析
4頭目には、ファインルージュを取り上げます。
上図はファインルージュのデビュー戦から前走紫苑ステークスまでのラップ適性をまとめたラップマトリックスです。
ラップマトリックスからファインルージュのラップ適性を分析すると、「ワンペース戦〜ロングスパート戦×超高速ラップ〜中速ラップ」までのレースを得意にしていることが分かります。
秋華賞で求められるラップ適性に対しては、同じロングスパート戦でラップ適性が近接する紫苑ステークスの勝利があり評価ができます。
この紫苑ステークスは秋華賞で想定する個別ラップの傾向も似た傾向を示していますし、急坂を2回登る小回りコースという点でコースにおける共通点が多いため、高く評価すべきレースです。
そのためラップ適性の評価は「B+」と高評価をつけます。
距離はやや長い印象を受けますが、前走のレース内容からここも好勝負を期待したい馬。鞍上がルメール騎手であることも重なって、かなり期待値は高い一頭です。
アカイトリノムスメ ラップ分析
最後の1頭には、アカイトリノムスメを取り上げます。
上図はアカイトリノムスメのデビュー戦から前走オークスまでのラップ適性をまとめたラップマトリックスです。
ラップマトリックスからアカイトリノムスメのラップ適性を分析すると、「ワンペース戦〜瞬発力戦×高速ラップ〜中速ラップ」までのレースを得意にしていることが分かります。
秋華賞で求められるラップ適性に対しては、同じロングスパート戦でラップ適性が近接する赤松賞1着の成績がありますが、距離が異なるので参考にしづらいところです。ただ基本的には2戦目以降、底力戦以外は安定してパフォーマンスを発揮してきていますから、ここも一定のパフォーマンスは発揮してくるでしょう。
ラップ適性の評価は「B+」とします。
ユーバーレーベン同様に小回りコースよりは大回りコースの方が向く馬と考えており、その点で多少の割引は必要かと考えています。評価しても2着・3着候補までの一頭と評価します。
秋華賞2021 推奨馬
それでは、この記事の最後に上位人気馬の中から選ぶ推奨馬をご紹介します。
推奨馬ですが、「ソダシ」を取り上げます。
芝1600m〜芝2000mにおけるオールラウンダーなラップ適性は秋華賞でも高く評価ができますし、ラヴズオンリーユーを破った能力面は一頭抜けていると考えます。
人気を集めそうですが、現時点ではソダシには逆らえないと予想します。