東京都には、江戸文化を支えた浮世絵師から、現代のアニメーション監督やファッションデザイナーまで、世界に名を残す多彩な人物が数多く生まれています。しかし、“出身”という言葉が曖昧に使われがちななかで、「実際に東京都内で生まれた人物」に限定して紹介されることは少なくありません。
この記事では、出生地が東京都内(現行の区市町村)であることを条件に、時代や分野が偏らないようバランスよく10名を選定しました。
このページでわかること
- 東京都“出身”に限定した偉人のプロフィール(時代・分野・功績)
- 各人物の出生地(現行区市町村名)と代表作・主要業績
- 記念館・旧居・碑など訪問できる関連スポット
- 授業・自由研究・プレゼンに使える人物カード形式のまとめ
東京都出身の偉人/歴史上の人物一覧
東京都出身の偉人、歴史上の人物を一覧でまとめました。偉人の定義は様々ですが、私が思う特筆すべき人物を選定しました
葛飾北斎(墨田区〈旧・本所〉)|江戸後期の浮世絵師『冨嶽三十六景』
墨田区で生まれた江戸時代後期の浮世絵師です。『冨嶽三十六景』をはじめとする風景画や美人画で知られ、日本美術の代名詞とも言える存在です。
晩年まで精力的に創作を続け、印象派など西洋の画家にも多大な影響を与えました。現在は「すみだ北斎美術館」で業績をたどることができます。
夏目漱石(新宿区〈旧・牛込〉)|小説家『吾輩は猫である』近代文学の金字塔

新宿区で生まれた明治・大正期の文豪です。代表作『吾輩は猫である』『こころ』などで知られ、心理描写と社会風刺に優れた作風が特徴です。
近代日本文学の基盤を築いた人物とされ、現在の新宿区には「漱石山房記念館」があり、旧居跡を含めて彼の生涯をたどることができます。
樋口一葉(文京区〈旧・本郷〉)|作家『たけくらべ』『にごりえ』明治女性文学の象徴
文京区で生まれた明治時代の作家です。貧困や市井の人々の暮らしを題材に、女性視点で緻密な心理描写を行いました。『たけくらべ』『にごりえ』などの短編で評価され、明治文学を代表する存在となりました。
文京区には「一葉記念館」があり、彼女の足跡を今に伝えています。
黒澤明(品川区)|映画監督『七人の侍』『羅生門』で世界映画を刷新

品川区で生まれた映画監督で、戦後日本映画を国際舞台に押し上げた立役者です。
『七人の侍』『羅生門』などの作品は海外でも高く評価され、ヴェネツィア国際映画祭などで受賞。世界の映画監督に影響を与える存在として、今なお語り継がれています。
宮崎駿(文京区)|アニメ映画監督『千と千尋の神隠し』など、国際的評価

文京区出身のアニメーション映画監督です。
スタジオジブリの共同創設者であり、『となりのトトロ』『千と千尋の神隠し』など多数の名作を世に送り出しました。ファンタジーと現実を融合させた世界観が特徴で、アカデミー賞をはじめとする国際的な評価も受けています。
坂本龍一(中野区)|音楽家・YMOメンバー、映画音楽でアカデミー賞受賞

中野区で生まれた音楽家で、YMO(イエロー・マジック・オーケストラ)のメンバーとして電子音楽の先駆者となりました。
映画『ラストエンペラー』での音楽制作により、アカデミー賞を受賞するなど、世界的に高い評価を受けました。晩年まで環境や平和活動にも取り組みました。
山本耀司(新宿区)|ファッションデザイナー・黒の美学で世界のモードに革新
新宿区で生まれたファッションデザイナーです。1980年代以降、パリコレをはじめ世界のモード界に登場し、黒を基調とした独特のデザイン哲学で注目されました。
非対称・機能美といった概念を取り入れ、アヴァンギャルドなスタイルを確立しました。
吉田茂(千代田区〈神田〉)|第45・48〜51代内閣総理大臣、戦後日本の外交基盤を構築

千代田区神田出身の政治家で、戦後日本の再建と外交政策において中心的な役割を果たしました。内閣総理大臣としてサンフランシスコ講和条約の締結や日米安全保障条約の基盤構築に貢献しました。
戦後の首相のなかでも存在感が大きく、東京には銅像や関連碑が残されています。
王貞治(墨田区)|プロ野球選手・監督、通算本塁打世界記録と国民栄誉賞

墨田区生まれのプロ野球選手で、読売ジャイアンツの主砲として活躍しました。通算868本塁打という世界記録を打ち立て、後に監督としても日本代表を率いるなど功績を残しました。
国民栄誉賞の初代受賞者であり、野球を通じた日本文化の象徴的存在です。
松岡修造(港区)|テニス選手・ウィンブルドンベスト8、日本テニス普及に貢献

港区出身の元プロテニス選手です。ウィンブルドン選手権でベスト8進出を果たし、日本男子テニス界の歴史を塗り替えました。
現役引退後はスポーツキャスター・指導者として活動し、熱血指導と前向きな言葉でスポーツ振興に貢献しています。
東京都出身の偉人/歴史上の人物まとめ
| 時代 | 氏名 | 功績 |
|---|---|---|
| 近世(江戸後期) | 葛飾北斎(墨田区) | 『冨嶽三十六景』などを描き、日本美術を世界に広めた浮世絵師です。 |
| 近代(明治) | 夏目漱石(新宿区) | 『吾輩は猫である』『こころ』などを執筆し、近代文学の礎を築きました。 |
| 近代(明治) | 樋口一葉(文京区) | 『たけくらべ』『にごりえ』で女性文学の新たな地平を切り開きました。 |
| 昭和〜現代 | 黒澤明(品川区) | 『七人の侍』『羅生門』などで世界映画に大きな影響を与えた映画監督です。 |
| 昭和〜現代 | 宮崎駿(文京区) | 『千と千尋の神隠し』など多数のアニメ映画で国際的な評価を受けました。 |
| 昭和〜現代 | 坂本龍一(中野区) | YMOの活動や映画音楽でアカデミー賞を受賞した世界的音楽家です。 |
| 昭和〜現代 | 山本耀司(新宿区) | 「黒の美学」で世界のモード界に革新をもたらしたファッションデザイナーです。 |
| 戦後〜現代 | 吉田茂(千代田区) | サンフランシスコ講和条約を締結し、戦後日本の外交基盤を構築しました。 |
| 昭和〜現代 | 王貞治(墨田区) | 通算868本塁打の世界記録を持ち、日本の野球文化を象徴する存在です。 |
| 平成〜現代 | 松岡修造(港区) | ウィンブルドンベスト8の快挙を達成し、テニス普及に大きく貢献しました。 |

