この記事では、ステイヤー決定戦G1「天皇賞春」の予想を特集します。
ご紹介する内容は天皇賞春の予想第1弾として、今年の天皇賞春で求められるラップ適性と有力馬のラップ適性についてです。
なお有力馬のラップ適性については、上位人気が想定されるディープボンド、アリストテレス、ワールドプレミアの3頭を取り上げます。
ぜひ最後までお読みください。
目次
天皇賞春2021 ラップ分析
この記事の初めに今年の天皇賞春で求められるラップ適性について考察していきます。
今年の天皇賞春を予想する上で最大のポイントは、例年とは異なるコースの阪神芝3200mで開催されることがあげられます。
阪神の急坂を2回駆けあがるコースとなっており、従来の京都芝3200mコースとは特徴が大きく異なります。
そのため、従来の天皇賞春の傾向は参考にしづらいです。
このような背景をふまえて今年の天皇賞春のラップ分析については、従来の天皇賞春のラップ適性と阪神芝3000mで開催される伝統の長距離重賞である阪神大賞典のラップ適性を比較していきたいと思います。
この両レースのラップ適性を比較しながら、今年の天皇賞春で求められるラップ適性を導いていきます。
上図は直近5年の天皇賞春のラップ適性と今年を含む形での直近5年の阪神大賞典のラップ適性をまとめたラップマトリックスです。
赤丸が天皇賞春、青丸が阪神大賞典のラップ適性となっています。
なおラップマトリックスとは、独自のラップ分析の予想ツールです。
縦軸にラップスピード、横軸に上り3ハロンを起点とするラップ変化指数「RPCI」を取り、該当レースの指標をまとめたグラフです。
このラップマトリックスから天皇賞春と阪神大賞典のラップ適性を比較・分析すると、阪神大賞典の方がラップスピードは低速化かつ脚質型は底力型に寄っていることが分かります。
急坂を要する阪神芝コース開催の長距離戦は京都芝コース開催の長距離戦と比較して、よりタフなレースであるということが言えます。
この傾向をふまえて考える今年の天皇賞春で求められるラップ適性ですが、細かく刻んで「底力型もしくはバランス型もカバーする持続力型×ラップスピード12秒15~12秒30」に設定します。
1週前予想ですので馬場状態は良馬場で設定、勝ち時計は3分14秒4~3分16秒8を想定します。
次以降にご紹介する有力馬のラップ適性については、この求められるラップ適性を判断軸に評価を行っていきます。
天皇賞春2021 有力馬ラップ適性
それでは、ここからは天皇賞春の有力馬3頭、ディープボンド、アリストテレス、ワールドプレミアのラップ適性と評価についてご紹介しています。
ディープボンド ラップ適性
まず初めに「ディープボンド」を取り上げます。
こちらはディープボンドの直近10戦のラップ適性をまとめたラップマトリックスです。
このラップマトリックスからディープボンドのラップ適性を分析すると、「持続力型×ラップスピード11秒90~12秒50」のレースを得意にしていることが分かります。
パワーとスタミナにおいては非常に高い能力を持っており、中長距離戦の持久力戦がディープボンドにとってベストな舞台です。
一方で速い脚が使えないため、上り3ハロンで11秒台前半~中盤のキレが求められるレースは向きません。
その点で考えれば、長距離戦でも瞬発力が求められる京都芝3200mではなくタフな阪神芝3200mで開催される今年の天皇賞春のコース替わりは、ディープボンドにとって間違いなくプラスです。
続いて天皇賞春に対するディープボンドのラップ適性に目を向けると、直近10戦で天皇賞春で求められるラップ適性と合致するレースはありません。
しかし、先ほどご紹介したディープボンドの特徴と阪神芝3200mとのコースとの相性を考えれば、高いラップ適性が見込めると考えます。
A、B+、B、B-、Cの5段階で評価するラップ適性の評価は、「B+」と高評価です。
前走の阪神大賞典はスタミナとパワーが求められる馬場下でレースが開催され、ディープボンドにとって好走条件が揃っていました。
今回も前走と引き続き、ディープボンドにとっての好走条件は揃っていると考えます。
G1レースで前走からメンバーレベルが上がっても好勝負が期待できる一頭と予想します。
アリストテレス ラップ適性
次に「アリストテレス」を取り上げます。
こちらはアリストテレスの直近10戦のラップ適性をまとめたラップマトリックスです。
このラップマトリックスからアリストテレスのラップ適性を分析すると、「底力型~バランス型×ラップスピード11秒90~12秒40」のレースを得意にしていることが分かります。
プリンシパルステークスのような上り3ハロンで10秒台を刻むような完全な瞬発力勝負のレースになるとキレ負けするため、ある程度道中のラップが流れた底力型や持続力型のレースで終いの末脚を活かす形がアリストテレスにとってベストな条件下と考えます。
その点で考えれば天皇賞春に対してもラップ適性自体は見込めると言えるでしょう。
実際にアリストテレスのラップ適性が天皇賞春で求められるラップ適性をしっかりとカバーしています。
このような背景からラップ適性の評価自体は「B+」と高評価をつけます。
ただし気になっているのが、アリストテレスのスタミナ面。
直近2走ともに道悪馬場となっていますが、芝2200mのAJCCは勝利した一方で芝3000mの阪神大賞典は7着と凡走。
距離を延長して頭角を現し菊花賞ではコントレイルを追い詰める2着と好走したことからステイヤーと考えていましたが、直近2走のレース結果をふまえると中距離を主軸に長距離もこなす馬の印象を抱きます。
有馬記念や宝塚記念のような中距離戦の底力勝負や持続力勝負が向く馬ではないかと考えています。
ネット記事等では良馬場開催であれば期待値は非常に高くディープボンドとの逆転も視野に入る評価を得ていますが、個人的には今年の天皇賞春の条件下であればディープボンドの方が高評価です。
ワールドプレミア ラップ適性
この記事の最後に「ワールドプレミア」を取り上げます。
こちらはワールドプレミアの直近10戦のラップ適性をまとめたラップマトリックスです。
このラップマトリックスからワールドプレミアのラップ適性を分析すると、「底力型~バランス型×ラップスピード11秒90~12秒40」のレースを得意にしていることが分かります。
例年とは異なる淀みない流れでタフなレースとなった一昨年の菊花賞を勝利。非常にタフな底力勝負となり、あのアーモンドアイが凡走した有馬記念で3着。
このような結果を見る限り、スタミナに富んだステイヤーで父から受け継ぐ末脚のキレも兼備する個性を持つ馬と考えます。
イメージとしてはフィエールマンのキレを若干削ぎ、よりスタミナ面を強化した印象です。
このようなラップにおける個性を持つワールドプレミアですから、天皇賞春に対するラップ適性は高いものが見込めると考えます。
直近10戦で天皇賞春で求められるラップ適性と合致するレースはありませんが、近接するレースで好走実績を残していますし、ワールドプレミアのラップ適性が天皇賞春で求められるラップ適性をしっかりとカバーしています。
ラップ適性の評価は最上級評価の「A」をつけます。
ラップ適性からは3000m超えの長距離戦で大崩れは考えづらい一頭です。
今年の天皇賞春のメンバーにおいて、その安定感はピカイチと評価しています。
今回は鞍上が主戦の武豊騎手からの乗り代わりとなりますが、オーソドックスな騎乗をする福永騎手への乗り替わりですから、より安定感ある走りが期待できるのではないでしょうか。
長期休養明け以降、レースを重ねるごとにパフォーマンスを上げてきていることもプラス材料です。
今回ご紹介した有力馬3頭の中では最も強く推したいのが、このワールドプレミア。
推奨馬として強く推したい一頭です。
天皇賞春2021 まとめ
以上、この記事では天皇賞春の予想についてご紹介しました。
なお天皇賞春の最終予想となる本命馬については、レース前日の土曜日に別の記事でご紹介をさせていただきます。
今回ご紹介した内容が馬券予想のご参考になれば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。