この記事では、「香港カップ(2021年)」の予想を特集します。
ご紹介する内容は、香港カップのラップ分析と出走予定の日本馬のラップ適性の評価についてです。
馬券予想にぜひご参考ください。
香港カップ2021 ラップ分析
まず初めに香港カップのラップ分析をご紹介します。
こちらは香港カップの過去3年のラップ適性をまとめたラップマトリックスです。
なおラップ適性の算出については、独自にラップの計測を行い算出しています。
このラップマトリックスとは、ラップ分析での予想を進める中で開発した独自の予想ツールです。
縦軸に勝ち時計をハロン数で割ったラップスピード、横軸に上り3ハロンを起点とするラップ変化指数「レースペース変化指数」を脚質型として取り、対象レースのラップ適性を散布図にまとめたグラフです。
このラップマトリックスから香港カップのラップ適性を分析すると、横軸の脚質型は持続力型・バランス型、縦軸のラップスピードは12秒05〜12秒20が基本となっていることが分かります。
このような傾向をふまえて考える今年の香港カップで求められるラップ適性ですが、「持続力型・バランス型×ラップスピード12秒05〜12秒20」に設定します。
勝ち時計は良馬場開催で2分00秒5~2分02秒0を想定します。
次以降でご紹介する日本馬の評価については、この求められるラップ適性を判断軸に評価を行なっていきます。
香港カップ2021 ラヴズオンリーユー
ここからは香港カップに出走予定の日本馬3頭、ラヴズオンリーユー、レイパパレ、ヒシイグアスのラップ適性の評価についてご紹介していきます。
なお、このラップ適性の評価はS、A、B、C、Dの5段階で評価を行なっていきます。
まず初めに「ラヴズオンリーユー」を取り上げます。
上図はラヴズオンリーユーの直近10戦のラップ適性をまとめたラップマトリックスです。
なお海外レースについては、ラップを独自に計測してラップ適性を算出しています。
このラップマトリックスからラヴズオンリーユーのラップ適性を分析すると、「底力型〜瞬発力型×ラップスピード11秒80〜12秒20」のレースを得意にしていることが分かります。
香港カップで求められるラップ適性に対しては、府中牝馬ステークス5着と前走海外G1制覇を飾ったブリーダーズカップ・フィリー&メアターフ1着が合致して2戦1勝。
府中牝馬ステークスについては、この馬が苦手とする道悪馬場の低速馬場で力を発揮できなかったこと、ラップ適性が近接するレースでは好走実績が多数あることなどからラップ適性は高く評価できます。
さらにラップ適性が近接かつ同コースでの開催となるクイーンエリザベス2世カップの勝利もふまえると非常に高いラップ適性が見込めると考えて良いでしょう。
ラップ適性の評価は、最上級評価の「S」評価をつけます。
ラップ適性は非常に高いものが見込め、海外レースでの実績も十分。
さらに今年の香港カップはドバイオナーなどが出走予定ですが、例年よりはややメンツが劣る印象です。
状態面に崩れがなく例年通りの良馬場開催であれば、勝ち負け必須の一頭と予想します。
香港カップ2021 レイパパレ
2頭目には「レイパパレ」を取り上げます。
上図はレイパパレのデビュー戦から前走エリザベス女王杯までのラップ適性をまとめたラップマトリックスです。
このラップマトリックスからレイパパレのラップ適性を分析すると、「持続力型〜瞬発力型×ラップスピード11秒70〜12秒20」のレースを得意にしていることが分かります。
香港カップで求められるラップ適性に対しては、大阪杯で1着、新馬戦で1着と2戦2勝と好成績をあげています。
特に大阪杯で圧勝のレース内容は高く評価できます。
この大阪杯の走りから勝ち時計が2分0秒台後半〜2分2秒台までとやや時計のかかる2000mは向くでしょうし、上がりがかかるのもこの馬向きのレースです。
香港カップに対するラップ適性は高いものが見込めます。
ラップ適性の評価は、「A」と高評価をつけます。
近走は芝2200mのレースを3戦連続で使われ最後にガス欠で失速という競馬が続いていましたので、得意の芝2000mに戻っての巻き返しが期待できます。
展開としては、逃げてこの馬の競馬に持ち込んでほしいところ。
海外レースへの適性は未知数ながら、大阪杯で示したラップ適性からは激走を期待せざる負えない一頭です。
香港カップ2021 ヒシイグアス
最後の3頭目には「ヒシイグアス」を取り上げます。
上図はヒシイグアスの直近10戦のラップ適性をまとめたラップマトリックスです。
このラップマトリックスからヒシイグアスのラップ適性を分析すると、「持続力型〜瞬発力型×ラップスピード11秒60〜12秒30」のレースを得意にしていることが分かります。
香港カップで求められるラップ適性に対しては、ラジオNIKKEI賞9着と中山金杯1着の2戦が合致して1勝、着外1回の成績を残しています。
中山芝2000mと香港シャティンの芝2000mのコースからくるラップ適性は近い適性を示すと考えており、その点から中山金杯での勝利は評価ができます。
ラップ適性の評価は、Aに近い「B」評価とします。
ラヴズオンリーユー、レイパパレと比較すると日本馬の中でも能力面で一枚劣る印象ですが、ラップ適性からはこの馬も馬券圏内が期待できる一頭ではないかと考えます。
香港カップ2021 まとめ
この記事では、香港カップのラップ分析と出走予定の日本馬の評価について特集しました。
海外馬と日本馬のラップにおける比較は、海外馬のデータが少なく難しい面があります。
そのため日本馬のみの特集となりましたが、その点はご了承いただければと思います。
まとめとしては、道悪馬場になると適性は一気に下がるので一定の注意が必要ですが、実績上位でラップ適性も非常に高いものが見込めるラヴズオンリーユーがやはり中心でしょう。
あとは得意の距離に戻ってのレイパパレがどのような競馬を見せるのか、この点も大きな楽しみです。
ラップ適性は高いので、大阪杯のような激走劇・圧勝があってもおかしくありません。
ヒシイグアス含めて日本馬の走りに期待します。